だから何ですか?
ククッと笑いながら煙草を咥え、そのまま静かに亜豆に近づく姿に嫉妬まじりの警戒で睨むも効果なし。
それどころか、
「火、頂戴」
顔を近づけ亜豆の咥えていた煙草に自分の咥えている煙草を寄せて、そんな接近にまったく動揺もなくさらりと受けかわす亜豆も慣れきっているような。
何だろうか?この出来上がった2人の空気は。
「この前も思ったけど・・・お前らプライベートで食事行くほど仲良いんだな」
「まぁね。社長と秘書だよ?信頼関係なしに居られる筈ないでしょ?」
「いや、まぁ、そうなんだが、」
何というのか・・・それ以上に親密に感じたのはただの俺の嫉妬から来る早とちりなのか。
信頼関係一つであそこまで受け入れきった平然の空気になる物なのかと逆に違和感を感じたのが強だろうか?
追及したところでどっちにしろ面白いと思うこの男はからかうか誤魔化すかワザと疑惑を強めに来るか。
どうあっても自分が苛立つ結果にしか繋がらそうだと煙草を咥え直したタイミング。
「では、お先です」
響いた声に意識を動かせば短くなった煙草を灰皿に押し付けている亜豆の姿。
そのまま言葉のままに去り始めた姿を一瞬呆けて見つめていたけれど、
「つきあう問題はもういいのか?」
「っ・・・」
コツコツと遠ざかりながら響くヒールの音に引かれ、離れていく後ろ姿をうっかり見つめて見惚れてしていれば、横から楽し気に意地悪に響いた海音の突っ込み。