だから何ですか?
よくねぇよ。
何にも解決してなかった。と悔しくも海音の一言に置き忘れていた問題の回帰。
焦って持っていた煙草を灰皿に押し付けながらもすでに足は入り口に向いていて、駆け出した時には亜豆の姿は先に建物の中に消えてる。
背後からはクスクスと笑う海音の声が追ってくるようで腹立たしいし。
それでも今は海音に悪態を切り返すよりも、
「亜豆っ、」
そんなやや張った声を響かせればすでにエレベーターホールへの微々たる階段を下りていた亜豆が大きな目の視線をこちらにくれる。
外が明るすぎたせいで急に入り込んだ室内は軽く目が眩む感覚を覚えつつ、階段上から足早に呼び止めた姿を追いかけ始めれば、
「・・・」
「おいっ、無視して歩き始めるな」
「いえ、歩きながらでないと仕事に間に合わないと思いまして」
「歩きながらする話じゃねぇんだって」
「・・・・では、簡潔にどうぞ」
俺の呼びかけに一応は足を止めてくれたものの、すぐに歩きだした姿に「待て」と言いながら駆けおりて。
彼女の方は特別歩むペースを変えてはいなかったからその距離は程よく埋められる。
そうして間近で捉える彼女の後ろ姿もつれないのなら吐きだされる言葉もつれないときたものだ。