だから何ですか?




彼女からすれば意表?


覗き込んでいた姿を腕を掴んで引き寄せて、そのまま自分の寄りかかっていた壁に押し付けると自分の体も彼女に寄せて。


驚愕に満ちた彼女の顔を至近距離に捉える。


本当・・・誰にも晒したくねぇのに。



「伊万里さ・・」


「充電させろ、」


「っ____」



言い終わる。と口づけはほぼ同時、噛みつくように彼女の唇を塞いで、彼女の困惑や戸惑いなんてそっちのけで欲求のままに貪り不満の解消を図る。


酸素を貪り舌を絡めて、余裕を全て奪って食らいつくすようなキスを一方的に与えれば、悶えながら崩れ始める亜豆もこちらの予想範囲内。


呼吸の間が分からないと言うように、下手くそに息継ぎをしつつもまともに出来ずそれに悶えて。


それを知って理解していても、敢えて意地悪く口づけをやめないのは俺の仕返しなのかもしれない。


たまにはお前が俺に翻弄されて困ればいい。


心底そんな事を思って繰り返し続けたキスは時間にしたら【分】もかかっていないはず。


それでも、亜豆を突き崩すには充分すぎた濃密な時間。


もういいだろうと余韻たっぷりに唇を離せば『はぁはぁ』と全力疾走でもした後の様な呼吸の乱れを響かせて。


微睡み、軽く非難するように睨んで見える双眸は涙が揺らめいて煽られる。



< 120 / 421 >

この作品をシェア

pagetop