だから何ですか?
無言であってもしっかりと絡みあっている自分と亜豆の視線の距離は一定だ。
息を飲むのも忘れ、それを思い出しても息をしていいのか躊躇う様な絶妙な僅かな呼吸の間。
薄暗くも慣れた目が亜豆の切なくもどかしい表情を映し込み焼き付けた刹那、
「両想いなんて贅沢・・・覚えさせるからですよ。・・・どうしてくれるんですか?」
心底困った様な非難の響きは中途半端。
自分の視界に捉える表情は困った様に眉尻を下げる癖に口元は弧を描く。
声に言葉に、亜豆そのものに・・・飲まれる。
「伊万里さん、」
「亜豆、」
「キス・・・されたいです」
「だから、・・・煽るんじゃねぇよ」
いつだって、言い回しさえ絶妙すぎるんだよ。
そんな事を思った時には亜豆の首の後ろに手を回し、力強く引き寄せながら口付けていた。
「んっ・・・ふぅ___」
「はっ・・・___」
お預けの時間が長すぎた。
重ねた瞬間から驚くほど自分の余裕がなくて自制も聞かずに食らいつく勢いで貪って。
キスされたいなんて言っておいて、相変わらずペースを掴むのが下手に拙い必死さで応える亜豆。