だから何ですか?





ようやく器械越しに反応を返された声は予想していた亜豆の声ではなく、もっと言えば低い女性の物ではない声。


予想外過ぎたその返しに一瞬頭が真っ白になって不動になって、次の瞬間には周りを見渡しソワソワしてしまった程。


あれ?間違えた?3階だよな?なんて階段表示を振り返ってしまった程。


そんな中で、



『あの~?』


「あ、えっと、亜豆さんのお宅でしょうか?」


『はい、そうですが』


「・・・・宅配便です」


『ああ、ご苦労様です』



何・・・咄嗟に嘘吐いてるんだろう俺。


いや、ある意味亜豆に届け物しに来た身分だけども。


と、いうか、やっぱりここであってるのかよ!?


ってか、誰だよ今の!?


なんて、心中かなり穏やかでない自分がここに居る。


確実に男の声の応答で、それでも亜豆の部屋だと肯定を示されて。


一体どういう関係でどういう目的でこの部屋にいたのか。


だって、亜豆がこのマンションに入ってから他の人間が入り込んだ姿は見ていない。


つまりは亜豆より先にこの部屋に居たって事になるわけで・・・。


まさか・・・泥棒?


中で悲惨な事態とかになってないよな?


いやいやいや、落ち着け俺。


もしかしたら亜豆に男兄弟がいて来訪してたのかもしれないし___



なんて、止めどない思考を巡らせていた中でガチャリと目の前の玄関扉が開かれた瞬間、



「ご苦労さ___」


「っ_____」


「う・・わぉ・・・おっどろき・・・」



それは・・・・


俺の言葉なんだが・・・海音。



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