だから何ですか?
えっ、何このクッソ可愛い生き物。なんて、言われた言葉も含めこの現状に呆けて亜豆を見つめていれば。
一変、ハッと何かに気がついたように表情を変えて、逃がしていた筈の視線を俊敏に戻し確かめる様に見つめ返してくる意図は何ぞや?
そこまでの一連まで、煙草を咥え黙って呆けていると。
「嫉妬・・・ですよね?」
「・・・へっ?」
「戸惑ってたのも不機嫌だったのも・・・嫉妬ですよね?いえ、そうだと思ってたのに違ってたら確信持ってた今の私って痛いじゃないですか」
「あ・・・いや、嫉妬・・だけど」
「・・・良かった。安心しました」
「っ・・・」
着眼点がおかしい。
今ポイントを置くべきところはそこではなくて、本来事の流れに身を置くなら気まずい事情でぎくしゃくしてもおかしくない場面であるというのに。
亜豆ペース。
嫉妬されたという事実に喜んで、その嫉妬の対象になった問題にはさらさら意識がないような発言。
今も俺からの確信を得た言葉に満足気にフフッと笑うと、煙草を咥えて一服。
その身を壁に寄りかからせて、吸った煙草の煙をフーッと口から噴き出す横顔は一人すっきりと安堵に満ちている。