だから何ですか?






息も絶え絶え。


なんとかねじ込む呼吸と一緒に漏れるか細い声も酷く扇情的で、時々至近距離で捉える双眸に潤む涙にもゾクリと感じて熱の上昇。


紅い頬の熱を測るように、頬に指先を這わせれば零れ落ちたらしい涙が触れて、呼吸を許す様に唇を離すと零れている涙に舌先を這わせて舐め取った。



「ふぁっ・・ん・・・」



微々たるそんな刺激一つで身悶え構えて声を漏らす亜豆の姿にいつもの様な無表情なんて皆無。


【秘書課の亜豆さん】なんて姿は全くおらず、見下ろすのは俺の・・・、


俺だけの・・・亜豆。



「亜豆・・・」


「・・やっ・・耳元で・・」


「可愛い、」


「っ___」


「・・・好きだよ」


「っ・・私のがっ!」


「・・・・・」


「・・・もっ・・と・・・好き」



負けず嫌い。


それに、まったく分かってねぇだろ?お前。



「それが煽りだってんだバーカ」


「っ・・あっ__」



無自覚によってなされているこの行為というのに、まるで分かっていないように俺の言葉に負けず嫌い発揮に煽りを返す。


熱っぽい表情で、吐息交じりの口調で、余裕のない姿で『自分の方が好きだ』と主張する姿に嫌味ではない舌打ちを響かせ、お仕置きとばかりに耳を甘噛みした。



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