だから何ですか?
木枠にすりガラスのリビングの扉。
その前に立って、頭を一掻きしてからドアノブに手をかけすぐに消沈の苦笑い。
鍵・・・かかるんだ。
カチッと何とも複雑な手ごたえを得た施錠された扉に現状の亜豆の心の反映を垣間見て。
どうしたもんかと一歩身を引き扉全体を眺めてから再度身を寄せると、
「あ~・・・亜豆?」
とりあえずの様子伺い。
そろそろと遠慮がちにその名を呼んではみたけれど、当然と言っていい程中からは沈黙が返され痒くもない頭を掻いて項垂れる。
驚かせた?
怖がらせた?
都合よく取って、単なる照れ隠しか・・・、
まさか嫌われてはないよな?
沈黙の返しにそんな予測が次々と立って、ある意味どれも当てはまりそうだと、小さく息を吐いてから気を取り直し、
「亜豆。・・・・あ~ずき。・・・・・・亜豆さ~ん、」
無言かよ。
「・・・・亜豆、・・・その・・もしかして・・俺の事きら__」
「好きです」
「即答かよっ!いや、即答のその返しはめっちゃ嬉しいんだけど、言葉と対応がなんか噛み合ってない!」
「・・・・・」
「で、もってまた無言かよ!亜豆~・・・とにかくさ、せめて顔見せろって。もう何もしねぇから」
まったく、こんな状態でも俺への好意は明確で速攻で。
そんな可愛さでまんまと絆されいつだって強気には出れなくなる俺がいるから困る。