だから何ですか?
傍から見たらどれだけバカップルと言われる会話なのか。
自分が第三者であるなら軽く引いてもおかしくないどこぞの安い少女漫画よりも熱愛かましている2人の様な。
それにしても、
「亜豆、本当そろそろ顔見せろって」
弾いた言葉は失笑混じり。
もう照れ隠しもいいだろう?と問いかけるような口調であったと思うのだ。
実際抱いていた感情は好意一色で疑心暗鬼の様な不安は全くの不在であった安堵の一時。
「・・・・帰って」
「・・・・・・えっ?」
今・・・『帰って』言いました?
ようやく響いた亜豆の言葉にはどこか和やかであった心に水をぶっかけられたような衝撃を覚える。
アレ?聞き間違い?と自分の都合よしに置き換えようとするも上手くいくはずもなく、中に居る亜豆を見透かす様に扉を見つけて呆けていると、
「今日は・・・楽しかったです。ありがとうございました。おやすみなさい」
「・・・・っ・・いやいやいや、はっ?いや、マジで?」
「お気をつけて」
「あーずきぃ!?」
「本当っ、」
「っ・・・・」
「今日は・・・もう帰って・・ください」
「・・・・・」
「・・・・っ・・み、海音くーん!!」
あっ・・・なんか・・・
「はいはーい」
カッチーンと嫉妬の再浮上、再燃焼。
ただでさえ衝撃の強制『おやすみなさい』攻撃に加えて縋るように海音の名前を呼ぶ声には落ち着いていた心も乱れるというものだろう。