だから何ですか?




かなり複雑な心中に後押し?


こうなると分かっていた。と言いたげに呼ばれてすぐに姿を見せた海音がクスリと笑って俺の隣に立って、それがガラス越しに見えたのだろう。



「私の代わりに・・・伊万里さんのお見送りお願いです」


「なっ・・・亜豆!?」


「ははっ、かしこまりましたぁお嬢さま。・・・ほら、お出口はこちらでございますよ伊万里様」


「お前っ、」



衝撃続き。


本気で顔を見せる気がないらしい亜豆がよりにもよって海音に見送りを要求して、それを面白おかしく笑って了承した海音がさも執事の如く丁寧に玄関を示して誘導してくる事に睨みを返す。


それに、亜豆も、



「亜豆、お前なぁ」


「おやすみなさい。寒いので風邪には気を付けて」


「そうじゃないだろ、」


「伊万里さん、」


「うん、」


「・・・・好きです。おやすみなさい」


「っ~~~」



ど、堂々巡り。


何言っても『おやすみなさい』の響きが阻みにくる。


マジか~。と苦悶の表情で頭を抱えれば、クスクス笑いと同時にトンと肩に置かれた手の感触。


それに意識を不本意ながら海音に移せば、



「無駄。こうなってる凛生に何を言っても顔は見せてくれないから」


「っ・・・」



よく知ってるんだよ。


そんな風に聞こえてしまう様な言い回しと意地の悪い笑みが腹立たしい。


どこまでも俺を翻弄して楽しみたいらしい男の性質の悪さには大人対応が一番安全策だと分かっていたのに。


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