だから何ですか?




『サンキュ』と言って受け取る姿に不意に、



「なぁ、」



そう声をかけてしまったのは一人で悶々とするのに疲れていたからだろう。


そんな声かけにその身を自分のブースへ戻しかけていた姿が『ん?』と反応してこちらに戻す。



「例えば、」


「うん、」


「自分の彼女・・・好きな女でもいいや、その相手がさ」


「うん、」


「電話しても応答しない。メールをしても素っ気ない短文で返される。・・・これってどう?」


「普通に気がない。もしくは別れたい?」


「・・・・・だよな。普通の感覚だとその答えしか行き当らねぇよな」



やっぱり自分の感覚は一般的だったと再確認できても嬉しくはない。


むしろ得た第三者の答えに複雑な心中でデスクの上の携帯を見つめてしまう。


そんな俺の質問、態度が見事井田のゴシップ好きを刺激してしまったらしく、一瞬にして面白そうだと目を輝かせているからうんざりする。


そんなうんざり顔なんてまったく堪えないところがこいつの厄介な面で、



「ちょっ、なになに?修羅場?ってか伊万里って彼女いたの!?」


「例え話だって言っただろ。そういう話聞いたから普通ならどう考えるか聞きたかっただけだ」


「なんだよぉ、すっげ面白そうでニュースになりそうだったのに。クリエイティブエース本命女子には相手にされず!?的な」


「お前・・・マジで関係切るぞ」


「冗談じゃーん。でも、つれない態度なら見込みなしが有力だよなぁ」



改めて言われた言葉には思わず黙して複雑に沈む。


見込みなし。


つきあって1日持たずに見込みなし。




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