だから何ですか?





そうして並んで煙草を吹かし、特別かわす言葉も見つからず。


今までってどんな話をしていたっけな。なんてぼんやりと亜豆が関わる前の海音との関係を回想させようと頭を動かすも、不意に引っかかったのは全く異なりつい先ほどの記憶だ。


あれっ?と思った次の瞬間には咥えていた煙草を口から手に移し替えていて、自由を得た唇からは、



「待て、・・・『この時間』って言ったか?」


「・・・・ん~?何の事?」



こいつ。


自分が罠を仕掛けた言葉の癖に、まんまとかかって見せても食らいつくまでにも焦らして遊んで。


俺の問いかけの意図なんて言わずもがな分かっているくせにスッとボケたような言葉を返し、試す様に目を細めて笑う姿は性質が悪い。


本当、何でこんな奴と友人であれたのか。


亜豆が関わる以前の仲としては確かにからかうような性格ではあったけれどここまで性質が悪いと感じた事はない。


年齢も近く何となく喫煙所で知り合ってポツリポツリ語って意気投合。


時々飲みに行ったりもする友好的と言える関係だった筈。


今じゃ、完全に俺を標的にその持ち合わせた悪癖を大発揮ときたものだからこちらもついつい臨戦態勢になってしまうのだ。


< 229 / 421 >

この作品をシェア

pagetop