だから何ですか?
吸わずに灰と化していた煙草の末路。
地面に落ちたそれを慌てて踏んで火を消すと、クスクス響く笑い声が小さく響いて遠ざかっていく。
その姿に視線を動かした時には扉をくぐり中に入り込んでいて、結局中途半端な気持ち悪さで取り残されてもどかしく顔を歪ませた。
「クソッ・・・」
何も教えてもらってない?
そんなの分からねぇよ。
亜豆が語った事が答えだと思っていた。
仮に海音からしたら亜豆が思う様な感情でないとしてもそこはどうしようもない事だと。
でも、そういう事じゃなく、俺の知らない2人の関係の繋がりがあるって何だよ?
俺より優先って・・・。
『必要、ありますか?』
「っ・・・」
不意に頭に浮上するのは亜豆が発したその言葉。
自分が好きなのは俺だと、それ以上何を求めるのかという様な言葉の響き。
それでいいと思って、亜豆だからこそその言葉だけで充分信用できると構えて乗っていたけれど。
冷静に考えれば暗闇で綱渡りでもしている状態だ。
太い縄だと安心していたけれど、横から風が吹けば簡単にグラつく。
そうして煽られ不安のまま捉える視界は全く見えずに更に不安に陥って。
亜豆が俺を好きという芯しか明確でない。
「・・・・必要・・・あるのかもな」
何よりも強いそれだと知ってはいるけれど、もっと煽られることなくその感情と向き合うには色々と。