だから何ですか?
何で居るのか?
お前に会いに来たからだろ!
近づかないで?
『好き』だって言って近づいてきたのはお前だろ!
全部全部仕掛けて振り回してここまで俺を惹きつけておいて、こちらが寄れば拒んでくるなんて人を馬鹿にするのも大概にしろよ!
華奢な腕を掴んだのは亜豆の足が階段の一段目を踏み込んだタイミングか。
登りかけた体を後ろに引き戻し自分の体に強引に寄せると、『イヤッ』と声を響かせ俺の胸に手を当てここでも拒絶する姿。
チッと明確に舌打ちを響かせると強引な力で壁に縫い付け顎を掴んで、怯んだまま何かを言いかける亜豆を無視して噛みつく様に口づけた。
いつも以上。
苛立った感情任せに、不満を全て示すような乱暴で荒々しいと言えるキス。
亜豆の呼吸や余裕なんてまるで考えず、むしろ酸欠で殺してやろうかと思うほどに呼吸を許さず舌を絡めとって。
息苦しさもあってかいつも以上に抵抗を示す非力な腕が必死に俺を退かそうとするのを更に拘束。
煙草の味がする。
きっとさっきまで吸っていたからだ。
この煙草だって俺の為に覚えたくせに、なんで俺を避けて一人で吸ってるんだよ。
心底憎い。
そう感じる程に・・・同量の愛情が表裏で存在するんだ。