だから何ですか?
「本当、どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたも・・・・、お前は俺を避けるわ、」
「避けてません」
「お前の感覚ではな。それに対して海音が色々と不安を煽るような事言うし・・・それを示す様にお前は海音を優先するし」
「海音君?優先?」
「俺との約束ドタキャンしたくせに昨日海音と居たんだろ?しかもホテルに入ってくとこ井田に撮られて証拠上がってんだぞ」
「・・・・・・・・・・・・成程、」
成程ってお前。
淡泊な反応にさすがに軽く呆れ交じりな声音を発し、ようやく預けていた頭を持ち上げ亜豆の顔と対峙する。
他に言う事あるだろ。と続けようと口も開きかけていたというのに、音として響かせなかったのは捉えた亜豆が明らかにいつものう表情とは違う無を纏って遠くを見つめていたから。
あれ?なんて思っていれば、『成程』と再びぽつりと口にしながら数回頷き、決して強い力ではないけれど俺の胸を押し返して身を離すとようやく視線を絡め。
「行きましょう」
「はっ?」
どこへ?と問う間もないまま華奢な指先が俺の腕を掴むとエレベーターへ。
押すボタンは下しかないわけで、俺が乗ってきたばかりの方の扉が開くとコツコツ靴音響かせ乗り込む姿に引きずられる。