だから何ですか?
声をかければいいと思うのに。
どこかいつもと違う雰囲気の亜豆に気迫負けというのか、ただ惹かれるままついて乗って、亜豆の指先が押した数字は25階。
その時点で向かう場所は凡そ予測がついたけれど。
屋上階から2つ下の25階はあっという間に到着音を響かせ、相変わらず無言で【険しい】無表情の亜豆には声をかけにくくて沈黙を守る。
そうこうしている間に扉が開いて、滅多に足を運ばないフロアへと亜豆に引かれて降り立っていく。
いやいやいや、マジか?
そう思うのはこの場所がプライベートな時間築ける外ではなくて、勤務真っ只中の職場であるからなのだろうか。
どう考えたって職務が理由で向かっているわけじゃないと理解している。
さすがにストップをかけるべきなのかと戸惑っていると、不意に近くにあった給水機に近づき紙コップに水を汲み始めた亜豆には小首を傾げた。
「あ・・・亜豆?えっと」
「・・・・・」
うわ、無表情だし無言だしなんか超恐い。
これぞ秘書課のクール&ドライビューティと謳われた亜豆さん。
そんな事を今更再確認してしまう今の亜豆は久しぶりでなんか新鮮だ。
最近は可愛いイメージが強だったからな。