だから何ですか?
酷いなぁ。なんてさして痛くもなかったであろう頭をサスサスと撫でている姿には何を言い返したら堪えてくれるのか。
自分の手に乗せられた井田曰く『男のマナー』的物品を『要るか!』と井田の額に張り付けるように突っ返して非難と蔑みの眼差しで見下ろすと。
「本当に煩悩の塊か!?ってか、会社にこんなもん持ってきてるなよ。しかも引き出しに入れてんのかよ!?」
「俺はいつだって臨戦態勢万全よ!?いつだって勝負パンツで出会いを求めてるんだよ!?」
「仕事をしろよ!」
「仕事をするにも活力注入して欲しいだろ!?」
「っ~~~ダメだ、お前もう本当救いようねぇ」
どんだけ女という生き物に執着しているのか。
いや、執着しているのは最早性欲なんじゃ
とにかくこいつが新聞の一面を飾るような事態にならないといいな。と軽く本気で心配さえ浮上する。
そんな俺を他所に突っ返されたモノを懲りずに『遠慮するなって』と言いながら俺のズボンのポケットに突っ込んでくる事には最早抵抗をやめた。
言っても無駄だしな。
やれやれと息を吐いて、『確認しとけよ』と仕事の念押しをすれば『了解~』とテンション高く返事をし携帯を手にする井田を横目。
小田にも諸々確認しとくか、と彼女のブースへと足を進めてパーテーション降りてるそこを覗き込みながらガラスをコンと小突いて存在アピール。
綺麗に整頓されたデスクのパソコンに向いていた視線がこちらに移るなりにっこりと上がる口の端。
コロッとした小動物の様な愛くるしさは自然とこちらの口の端も上がってしまう程だ。