だから何ですか?
ニヤニヤとあからさまに含んで俺を突いてくる姿には呆れた眼差しで見下ろし溜め息まで零してしまう。
本当、口を開けばその手の話ばかりだと興味なさげに視線を書類に落としたのに逃がしてくれる筈もないこの男。
「なかなかいいチャンスでシチュエーションじゃん?クリスマスまでのカウントダウン週間に仕事を使って距離も縮まって、本番のクリスマスには仕事の達成感と同時に関係も完成的な」
「お前って、本当脳内お花畑な。仮に女とデートするときにはその花摘み取って花束にしていいか?」
「フフッ、花よりも良いモノをあげよう伊万里君」
「あっ?」
本当に浮れた頭だと馬鹿にしたような会話であったのに、どこまでも堪えずおめでたさ全開に不敵に笑った井田がゴソゴソと自分のデスクを漁ると俺の腕を掴んでくる。
そのまま半ば強引に掌に収められた感触には『あっ?』と顔をしかめて視線を動かし、捉えたものには思わず無言になって数秒の不動。
そんな俺をさも『良い事をした』と言いたげに満足に笑う井田が目の前に在って、その井田から譲渡された物といえば・・・。
「何これ、」
「男のマナー?」
「おっ前・・・」
「あ、安心して、装着感マジで感じないくらいの極薄よ!?」
「どんな安心だよ。そんな事に安心求めてねぇっての。あのなぁ、」
「あ、もしかして着けない派?いやん、伊万里くん最低~~、あだっ・・」
こいつ、マジで殴っていいだろうか?なんて思った時には持っていた書類で思いっきりしばいていた後だった。