だから何ですか?




一つ問えば的確な答えの他に更に予備としての答えも用意してあって、仕事の話をしている間に余計な会話は挟まない。


自分の仕事もあるだろうにこちらのサブ仕事にも手抜きがなく、よりよい物をと真剣に向き合ってくれる姿勢には安心して寄りかかれるような。



「じゃあ、この内容でまた確認入れてみるから」


「分かりました。また何か問題点や変更点あったらすぐに教えてください。手が回らない分は私が動きますから」


「頼もしいな。サンキュ」



賞賛の意味で小田の頭を軽く小突いて小さく笑えば、少し驚いた表情の後にフフッと笑い返してきた彼女が今の内容をメモしてパソコンの横に貼る。



「それにしても、明日から本当に体力勝負ですね」


「ん?ああ、現場に行ったり社に戻ったり、普段デスクワークで衰えた足には良い運動だろうな。外は寒いからぬくぬくしてたいし面倒だけどお付き合いよろしく~」


「私は・・・結構楽しいですけどね」


「えっ?」


「・・・伊万里さんの仕事って触発されるし・・・楽しいですよ」


「・・・そう?じゃあ・・頑張りますか」


「はい、頑張りましょう」



最後までも俺を上げにくる言葉と笑顔に背中を押されて、更には程よくやる気スイッチを刺激され意欲に満ちながら立ち上がる。


さて、当日、恙なく終わらせるためにも今苦労しておきますか。と背伸びをし、小田に軽く手を上げ自分のブースへと身を戻した。


恙なく終わった後のご褒美が一番待ち遠しい。


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