だから何ですか?


♧♧♧♧











「フッ、変態っ子み~つけた」


「っ・・・・」



扉を開けて、外から入り込む外気に『寒い』と思った直後に捉えた姿には苦笑い。


まだこちらに気がついていない姿はひたすらに遠くを見つめながら何かに対して思いを馳せているようで。


いや、【何か】だなんて愚問か。


その答えを目に見えて口に咥えて黄昏ているお嬢さんの姿なんだから。


それを確認しながら近づいて、程々の距離で最初の声をかければ面白い程動揺を見せて慌てて煙草を口から離した姿に、思わずクスクスと笑って隣に並ぶ。


当然俺の正体を知れば、



「海音君に変態とか言われたくない」


「いや、俺好きな子の私物盗んで恍惚となんかしないし」


「恍惚となんてしてない」


「ははっ、着眼点はそこ?」



盗んでないと言い張るのかと思えば、盗んだことは否定せずの反応には相変わらずだと笑うしかない。


しかもこんな会話を経ても俺の目の前では平気でその行動を続行できるらしい。


ゆらりと紫煙立ち上る凛生の煙草は見慣れたものじゃない。


いつも吸っている銘柄とは違う和のとこからくすねたそれだろう。

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