だから何ですか?
そんな引き止めに振り返りもせず未だ帰ろうとする動きには、微睡んでいた感覚も否応なく活性化。
「ちょっ、亜豆待とう、」
「いえ、なんかご指名違いだったみたいなんで」
「違うっ、むしろ超ご指名だから」
「そうですか?思いっきり『チェンジ』と言われた気がするんですが」
「いや、本当に勘違いなんだって!本当にむしろさっきまで・・・っああっ、もう、」
もどかしい。
そんな感情の爆発的に掴んでいた亜豆の腕を引き止めるよりも更に強く、強引に引き戻してぶつかってきた体をギュッとキツク抱きしめる。
そんな腕の中で息を飲んだような気配も感じて安堵に口の端を上げる。
亜豆だ・・・。
たった2日程顔を見なかっただけでどこまで大げさなのかとも思うのに・・・会いたかった。
「充電しに来たんだろうが。・・・だったら不貞腐れねぇで充電されろ」
「・・・それだと・・・伊万里さんが充電したかったみたいな、」
「あったり前だろ。お前、俺がどんだけ限界ギリギリで過労してたと思ってんだ!?亜豆電池1%でいつなくなって真っ暗になるかヒヤヒヤ精神だったぞ!?」
「はい、なんかその限界精神を今の壊れた発言で理解しました。・・・ちなみに、」
「ん?・・・何?」
「私は月曜の夜には0%でパクった煙草で補ってました」
「っ・・・」
「だから、充電くださいと・・・押しかけてみました」
ああ、もう、これ・・・。
本当にこの絶妙な甘さに依存症が出て苦しかったんだって。