だから何ですか?


抱きしめて、触れてみてよく分かった。


限界ギリギリだと思っていた自分の亜豆不足はとっくに限界を超えて飢えすぎていたんだって。


それを証拠とする様に酸素不足から解消された様に息苦しくなくなった。


得ている感触や温もりに匂いに、症状緩和の薬を投薬されたかのよう。


いや、逆に毒を取り込んで禁断症状が収まっているのか。


どっちにしろ、



「亜豆禁断症」


「本当に・・・私の事が好きですね」


「お前がそうさせたんだろ」


「はい、『好き』だって言ってよかったです。まさか伊万里さんがここまで私を意識してくれるとは」


「意識じゃねぇ、依存だ。散々人の気引く癖にサラッと放置するからムカついてムカついて・・・気がついたら好きになってたじゃねぇか。どうしてくれるんだ?あぁっ?」


「・・・それ以上に好きになり返すまでです」



何を言っているんですか?


そんな口調とそんな表情と。


俺の胸に埋めるような形になっていた顔が確かめる様に上がって俺の見下ろす視線と絡み合う。


相変わらず自分の好意にブレがないせいか羞恥も迷いもないまっすぐな言葉と視線。


媚びるものでもない感情の吐露の表情はケロッとした真顔だ。


それがいつだって無垢な彼女を示して愛おしい。


俺を好きだと言葉にせずとも明確で愛おしい。


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