だから何ですか?
見えないといっても酷く危うい状況でのこの行為だとは自覚していて、亜豆の懸念ももっともだ。
それでも『だから何だ?』と意地悪く笑い飛ばし、更に抱き寄せると言葉を挟むことすら許さぬように唇を塞いで舌も深く絡めとった。
軽いな。
椅子に身を置き、そんな自分に引き寄せ体重を預けさせての抱擁。
遠慮がちに身を預けていたのを更に抱きよせ突き崩し、膝の上に感じる亜豆の体重は苦にならぬほど軽いと感じる。
細かったもんな。
軽いという感覚を覚えた直後に思い出すのは一度捉えた亜豆の無防備な体の曲線美。
そんな記憶を浮上させてしまえばそれにつながる厄介な記憶も連動するわけで、うっかり自分の欲に煽りをかけるような記憶の回想。
それに今更抗える筈もなく、ジリっと熱いような痛いような感覚を内側に感じると、その感情のままに背中に回していた手をゆっくり下に滑らせた。
「んんっ!?い・・まりさ・・ん!?」
「声。誰か来たらまずいんじゃなかった?」
「っ・・・」
揚げ足取りとはこういう事?
いや、牽制の響きをいいように利用したのか。
滑らせた手を亜豆の服の下に忍ばせて、滑らかな肌の背中の感触を確かめる様に触れたのだ。