だから何ですか?
そんな気配に心底焦る亜豆の表情すら今は楽しいと微笑めば、非難し訴えるような眼差しを受け、
「可愛い」
そう、亜豆にだけ聞こえる程に直に耳に吹き込んで、ようやくパッと体を離すと椅子にあった上着を亜豆の上に放って自分はブースの外に。
身を出せば隣のブースあたりまで近づいていた小田と対峙して、出てきた俺に「あっ、」と小さく驚きを見せてからにっこりと笑ってくる。
「やっと出てきましたか?また違う仕事のデザインが調子に乗って没頭してたんじゃ?」
「いや、実は会社のパソコンでいかがわしい画像見てて、急に2人画戻ってきたから焦って履歴消してた。・・・って言ったらどうする?」
「あはは、それ言ったら焦って消した意味ないじゃないですか」
「だな。井田じゃあるまいし」
「ふふふっ、その井田さんお腹空いた~ってさっきからずっとぼやいてますよ」
「じゃあ、俺達も行きますか」
ほらっ、と軽く背中を叩いて今進んできたであろう道を逆戻りさせる。