だから何ですか?



「嬉しいです」


「・・・えっ?」


「・・・伊万里さんと・・・伊万里さんの仕事に参加出来て・・・嬉しい」


「・・・あり・・がとう?」


「・・・私、本当・・・伊万里さんに憧れてるんです。仕事も・・・伊万里さん個人にも」


「・・・っ・・」



動悸が強まるのは決していい意味ではない。


言われている言葉は賞賛として喜んで受け取るべき響きであるのに、場を同じくしてこの言葉を聞き入れてほしくない相手がいて。


目の前の小田よりも背後在る亜豆の方が気になって。


もうこれ以上何も口にしないで欲しいと思う俺は最低なのか。


きっと、少し前の俺であるなら小田のこの言葉に歓喜しか覚えない筈であったのに。



「・・・すみません。なんか・・・こういうの楽しくて、学生時代の放課後みたいで私浮れてるんですかね」



フフッと気恥ずかしそうに頬を掻いて笑う小田は純粋に可愛いとは思う。


それでもどうしてそれ以上に亜豆が気にかかり、それに拍車をかけたのは小田の言葉。


それは・・・亜豆も同じような事を言っていた。


それこそ、この場所で・・・こんな風に残業の時間帯に。


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