だから何ですか?


言いませんだなんて、全部打ち明けといて狡すぎるだろ。


どこまでも狡くて憎たらしくて。


さらりとした横顔に手を伸ばすと亜豆の咥えていた煙草を抜き取って、当然こちらに向いてきた姿に顔を寄せて、



「ったく、・・・すぐに煙草咥えるな、」



そう言った言葉尻には唇を重ね、煙草の苦み明確なキスはすでに馴染んで心地よいと口の端を上げながらすぐに離し、



「・・・キス出来ねぇだろ」


「今、しました」


「足りねぇって」



言葉を弾いた時にはすでに唇を掠めていて、その動きに焦らされ渇望してようやくしっとりと重ねていく。


緩やかにお互い啄み貪って、手の中では吸われず灰になっていく煙草が紫煙を漂わし風に流されている。


亜豆の懸念は当たらずしも遠からずだ。


下手したら本当にのめり込む。


仕事も放り投げて没頭したくなるほど麻薬的効果を感じる亜豆との関係。


さすがに本気で放り投げはしないだろうけれど。


自分の仕事に誇りもあり手放せない自分の世界と言える。


それでも恋愛にその意識を向けてしまっている時は、亜豆に向けてしまっている時はどうしても優先したくなるのは目の前の姿。


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