だから何ですか?



仕事の切り目に立ち会えなかったショックもあるけれど、それより何よりっ、


マジか!?と、慌てて確認した腕時計は既に20時半を刻んでいて更に無情。


人間、衝撃がデカイと一度動けなく程不能になるらしい。


まさに今の自分がそれで、焦って行動するより早く項垂れ落ち込み頭を抱えて不動になった。


マジか・・・、マジですか。


初デートで遅刻。


いや、この際遅刻はともかく、それを前もって連絡すら出来てない事が問題。


約束の時間から既に30分だ。


今から急いで向かったら何時になる?


いや、考えるより先に動くべきだろ俺!


と、ようやく行動に意識が働きかけたタイミング。



「伊万里さん、」



響いた呼びかけに焦っていた気持ち全開に、『えっ!?』と声を上げながら顔を上げるも次の瞬間には新たな衝撃。


焦りなんて一瞬で吹き飛ぶ感触には全てがフリーズして声すら出ない。


唇が・・・温い。


最初に感じたのは色気も皆無なそんな感想で、ようやくまともに思考が働き焦りを覚えたのは唇を軽く啄ばまれた感触で。


小田にキスされた。


そう頭が判断した時にはこちらが拒むより早く離れ、さすがに気まずそうに俺を見つめてくる姿。


きっと・・・可愛いと感じるべき瞬間で、姿で。


それでも今の俺には焦りでしかない。



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