だから何ですか?




そんな不満をぼやいていれば『ああ』と抑揚のない亜豆の反応の後、



「だって、応答ない方が更にもどかしくて焦って早く来てくれるかなって」


「・・・・・」


「ちょっと楽しみだったんですよね。一体どんなバツの悪い顔で登場するのか、どんな対応で出向かえてやろうかとか。まぁ、決定的な場面見逃しちゃいましたけど。ここに戻ってきたら観覧車見上げてる廃人になっててなんか哀れで普通に声かけちゃいました」


「・・・・おっ前~~」



ふざけんな。と体を離すとクスクスと笑う無邪気な姿があって、それにうっかり飲まれて見惚れるも、すぐにハッとし痛くもないアイアンクロウで反撃しておく。


何を戯れているんだか。


いい歳して。


そんな突っ込みを一応大人として自分に突っ込んで、それでも心では心底楽しみ最終的にはクスリと笑ってしまう。


やっと、笑えた。


そんなタイミングに亜豆がまじまじと俺を覗き込んで見上げると、フッと笑みを零し、



「やっと笑いましたね」



なんて、感情の同調を響かせる。


そのまま『行きましょう』と手を掴んで歩きだす場面には少なからずデジャブの様な感覚を覚える。


デジャブというより・・・合コン後の記憶の回想か。



< 358 / 421 >

この作品をシェア

pagetop