だから何ですか?





さっそくとばかりに目の前でロールケーキの封を解いて口に運ぶ亜豆が、片手で再び袋を漁り取り出したものを俺に差し出してくる。


ホット専用容器のペットボトル。


時間の経過を示す様に少し冷めてぬるくなっていそうな温感に小さく笑い、確認すれば中身はコーヒーらしい。



「ココアにしようか迷ったんですが・・・スイーツ食べて甘い口にココアはきついかなって」


「だな、」


「はい、伊万里さんも食べてください」


「んっ・・・」



食べてくださいと促しながら俺が選別するより早く口に突っ込まれたのは亜豆が今程食べていたロールケーキの半分だ。


俺に選択肢はないのか?と苦笑いで捉えた亜豆はすでに次のモノを手に取りピリピリ音を立ててビニール包装をといている。


どうやら今度はチーズケーキらしく、口に含んだ瞬間に『美味しい』と満足そうに笑ってどこのコンビニの物だったかを確認している。


そんな姿を眺めながらコーヒーを開栓して口に運び、想像通りにぬるくなっていたそれに小さく笑った。



「・・・こんなクリスマスデートは初めてだよ」


「はい?」


「自然体でいられて楽しい」


「・・・・よく分かりませんが、一般的クリスマスデートはそんな気を張って疲れるものなんですか?」


「一概には言えないけれど・・・俺の知ってるのはそんなんばっか」



好きな女の要求を探って応えて、それこそ今日の企画となんら変わらない。


それで喜ぶ反応を見れれば達成感はあったけれど、今思えばその達成感すら恋としてのそれじゃなかったんだろうな。



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