だから何ですか?




突拍子もない事を言いだした本人はさっきまでの真顔を捨て去り嬉々とした感じに隣に置いてあった紙袋を膝に乗せて中身を取り出す。


ああ、それも何だ?とは確かにさっき思っていたけれど。


言葉も返せず、ただ目の前でガサガサと包装を解いていく亜豆を傍観し、リボンも包装紙もはらりと足元に落ちた時には中身は俺の顔面に突きだされて示されていた。


じゃーん。という効果音が響きそうな表示。


亜豆も楽し気に笑って突きだしていて、その詳細をまじまじと確かめ手で触れながら、



「・・・・クリスマスツリー?」


「はい、雑貨屋ですでにセールになってました」


「まぁ、・・・もう今日がイブだしな」


「オーナメントも買ってあるんですよ」



30センチほどのモミの木だろうか。


手軽に飾れるタイプのツリーで、それを飾るオーナメントも今程亜豆が取り出した。


それにしても、どうせ明日で終わりのイベントグッズを何故買った?と思いながらオーナメントを受け取り眺めていれば、



「伊万里さんと飾ろうと思ったんですよ。観覧車で夜景見て、甘い物食べてツリーを飾って。どうです?実にバカップルっぽくて痛い記憶としても鮮明に焼き付くでしょう?」


「フハッ・・・お前、なんでそんな自虐的に」


「良いんですよ。もうどうせ今日はカップルが馬鹿になる日なんですから、私達も准じてその馬鹿の一員になればいいんです」


「・・・・お前って本当、」


「馬鹿ですか?」


「・・・惚れる」


「大歓迎です」



クスクスと笑ってオーナメントの袋を開封し始めた亜豆がそれを俺に渡してくる。



< 364 / 421 >

この作品をシェア

pagetop