だから何ですか?
亜豆も手に持っていた一つをツリーに飾り始め、俺が手に持っていたものを飾った時には3つ目をツリーにかけているところだ。
今日は無表情が少ないんだな。
今も口元に弧を浮かべて飾りつけに夢中になっている姿をチラチラと確認し、時々コーヒーやケーキを口に運んで時間を過ごす。
「亜豆、」
「はい?」
「悪い・・・プレゼント用意出来てねぇ」
「フフッ、だから欲しい物なんてないって言ったじゃないですか」
「欲がねぇな。あれが欲しいこれが欲しい言うチャンスだろ」
「そんなにいくつも欲しい物なんてないんですよ私。それに・・・欲しい物はすでにクリスマス前に手に入れました」
「・・・・・」
飾りつけをしていた手を止めて、視線も自ずとツリーから亜豆の方へ。
捉えたのは視線をツリーに落とし飾りつけを継続している姿で、それでも追ってゆっくりと絡んできた視線。
「伊万里さんを独占出来てるだけで充分です」
「・・・・」
「それ以上を望む気はないですよ」
「・・・無欲」
「どこが。・・・これ以上の貪欲はないでしょう」
フフッと笑った姿は凛と言い張って綺麗だと感じた。
どこまでもどこまでも・・・俺ばかりがハマって堕ちこんでいるような気がする。