だから何ですか?
好きだと思ってしまった日からまだ然程日は経っていない。
なのにすでにキャパオーバーにも感じるそれで体がミシミシと限界を告げている気がする。
それを消化しようと『好きだと』音にして感情を逃すのに、更に上回る感情を返されそれに再び好きだと感じての悪循環だ。
苦しくて、もどかしくて、想いあっている関係である筈なのに未だ片想いの如く好きが釣り合わない。
こんなに好きだと思うのに、俺の方が好きだと思うのに、亜豆に返される好きに敵った事が無いなんて。
そんな甘ったるいような葛藤に満ちることも恋愛の醍醐味なんだろう。
それに浸って酔ってしていることも可能で、この空気に逆上せ上がったままでいたいとも思う。
それでもたった一つだけ・・・自分の中で甘さに溶けきらないことがある。
それを無理矢理にも喉元まで引き上げて、楽し気に飾りつけをしている姿に一瞬躊躇うも、
「・・・・亜豆」
「はい?オーナメント足りなくなりました?」
「・・・・・・小田とキスした」
発したのは溶けきらなかった苦みの記憶。
音にして響かせた瞬間に一瞬で体がヒヤリと感じる程空気が変わった気がした。