だから何ですか?
普通の相手はキスをしたという事実を先に強く印象に刻んで、その経緯に至っては言い訳としかとってくれない筈。
だからこそ下手な言い訳はせず非を認めて結果しか告げない。
それは端から俺の方が相手を信用しないという事にもなる。
言い訳をしたところで聞き入れてくれる筈がないと、好きなように俺を判断して不満をぶちまければいいと。
それを・・・亜豆にもしてしまったわけだ。
亜豆なら、絶対に非難する前にその経緯をきちんと把握してから反応をしてくれたであろうに。
俺が悪い。
「・・・っ・・ひっく・・」
「・・・・」
「うっ・・・」
「・・・・・・・えっ?ちょっ・・・待て、泣いてるのか!?」
悪いと言って項垂れて、その視線は足元に落としていた。
沈黙が痛いなんて感傷に浸っていれば、不意に耳に入り込んできた音に反応し焦った気持ちで顔を上げれば、実に悔しそうに顔を歪めて涙を流している亜豆の姿にかなり動揺。
ポロポロと大粒の涙が頬を伝ってそれを拭いもせずに俺を悔しそうに睨みつけて。
えええっ!?と完全に気迫負けして何をどうしていいのか分からず硬直してしまう。