だから何ですか?
よくあそこまで愛想を振りまけるものだと思ってしまう。
まぁ、あれでも社長だ。
社交性や協調性、誰からも好かれるような人柄が必要なのであろうけど。
知り得る海音の友人としての正体を知っているせいなのか、こうして外で愛想を振りまく姿の胡散臭い事。
それでもこの中で唯一海音が特別扱いをしているとしたら・・・あの亜豆だ。
亜豆であっても海音の接触に不快感はないらしく、それでも軽はずみな発言には、
「社長、明日からの私の身の置き様に困りますので悪ふざけは程々に」
「ええ~、つれないなぁ」
「単なる食事会ですから。あらぬ噂が広がり盛り上がっても落ちは盛り下がるような関係ですので誤解されませんように」
本当かよ。
そんな突っ込みを心で突っ込めるほどはどうやら俺も平常に戻ってきているらしい。
亜豆の焦るでもない冷静な説明を小田の横で冷めた感じ聞き入れて、フンッと聞こえない音で鼻を鳴らし目を逸らせば。
たまたまその視線の先に海音の姿があり、そんな自分の姿を捉えるなりもの言いたげにクスリと含みありに笑ってくる。