だから何ですか?
どこかここでないところを見つめていたような亜豆の目がようやく俺の視線と交差した直後スッと動きを見せた姿が腕の中へ。
身体を預けると同時に唇も塞がれて、絡み付く息も舌もチョコレートの風味で甘ったるい。
俺を見下ろし両頬を包んでの口づけ。
俺の座っている足の間で片膝を着き、バランスの悪さは俺が抱きとめることで支え。
貪るように落とされたキスに貪り返して抱き締める腕に力を込めて。
亜豆の涙が俺の頬にも広がる。
相変わらず・・・・上手いとは言えないキスだな。
それでも、極上。
「・・・・・伊万里さんのせいです」
「あっ?」
ようやく、息継ぎの様に僅か離れた唇から発せられた言葉の響き。
離れがたいとばかりに額は合わさったままで、なのに口調は相変わらず非難めいたもので。
全てがバラバラでそれがまた妙に愛おしい。
それを行動で示す様にほんの軽く唇を啄めば、堪え切れないとばかりの吐息を零すから堪らない。
「・・・・俺のせいって?」
熱っぽい呼吸にグラリと逆上せながらも、何が言いたいのだといいかけた言葉の続きを求めて言葉を向ける。