だから何ですか?
「っ・・・はっ・・ははっ・・・」



何で笑い声なんて零れたのか。


感じ得た熱に、感触に、気持ちがいいと変に震えて。


乾いた笑い声の様な音を力なく空気に震わせて。


・・・足りない。



「んんっ・・・」



亜豆が隠す様にシーツに皺を伸ばしていた手に顔を寄せる仕草さえ熱を煽って。


隠されれば意地悪くもこちらに顔を向けさせたくなるというのに。


まさに、そんな意地悪全開に手を伸ばして指先を顎に絡めると、



「亜豆、」


「やっ・・・」


「・・・亜豆、顔、」


「待っ・・・・・ダメ・・」


「・・・・・・・凛生」


「っ____」



頑なに顔を見せる事に抵抗する亜豆は心底可愛い。


そんな姿に意地悪の割増で耳を食みながら言葉と息を吹き込んで、それでも背ける事にこれでどうだと名前を呼んだ。


熱を絡めて、これ以上ないというほど愛情を絡めて。


音の愛撫で聴覚を擽り、それに見事感じたらしい亜豆が小さく身震いしたかと思うとゆっくりと、躊躇いがちに背けていた顔をこちらに戻したのだ。

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