だから何ですか?




そんな風に隠すくせに目元だけはしっかりとお披露目されて、しかもこんな時にも逃げることなく俺を見つめてきている事には褒めるべきか。


初体験終えた後の女の理想的反応みたいだと亜豆の姿に微笑ましく口の端を上げていれば、瞬きすら忘れていそうな大きな目が一瞬も俺から逸れることなく。



「どうしましょう・・・」


「ふっ・・・何が?」



これはお決まりの『恥ずかしくて無理』とかそういう類の羞恥全開な展開だろうか?


そんな予想を頭に言葉を続きを促す様に亜豆も目元に指先を走らせれば、



「目覚めて一番に伊万里さんが居るとか・・・私の今年の運使い果たした」


「ブハッ・・・おまっ・・あはははは、今年って、あと数日じゃねぇか。目覚め一発に俺がいる運ってどんだけ凝縮された小さい運?」


「・・・・・伊万里さん、」


「ん~?」



本当、どこまでも思ってもみない衝撃をくれるから飽きない。


色っぽい事後のムードなんて吹き飛んで、それでも心地がいいと思える感覚に笑って浮かんだ涙を拭っていれば、改めて掠れた声で俺を呼ぶ亜豆の声に意識を引かれた。




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