だから何ですか?
「亜豆と居ると・・・今までの女性観が変わる」
「そうなんですか?」
「面倒だと思ってたデートとかイベントが楽しくて待ち遠しいとか思うし。正直・・・セックスは気持ち良くて好きだけど相手を好きで好きで仕方ないって感じに抱いた事なかったのかもな」
「・・・・」
「抱いた後のこういう時間も欲を果たせばどこか面倒で億劫で、」
「そうですか、」
「だから・・・今それがマルッと亜豆に塗り替えられてる」
この歳になって初めて・・・今までとは違う恋愛を知った気がする。
言葉にしてしまえばどこか陳腐で安い恋愛ドラマのような表現しか出てこない。
それでも言い表すならそう言う言い方しか出来なくて。
恥ずかしげもなく、しみじみと感じたままに言葉を落として、それを静かに聞き入れていた亜豆が穏やかな口調で相槌を打ちながら俺の背中を撫でてくる。
ずるずると心地よさの沼に抗うことなく沈んでいたけれど、不意に自分の発言に冷静さが回帰し反芻してから『あっ、』と、どこか気まずさの浮上。
「悪い、他の女の話とか別に聞きたくないよな」
しかもこんな状況下で。
やってしまった。と本気での反省が心を占めて、はぁっと溜め息まで零したというのに。
「何でですか?」
「へっ?」
「私は私の知らなかった伊万里さんの女性観知れて嬉しいですよ?」
「・・・嫌だとか思わねぇの?自分以外の女の話とか」
「いや、嫉妬云々でしたら自分以外全世界が敵と言っても過言じゃない程ですが」
「フハッ・・・笑わすな」
そうだった。そう言ってたな。