だから何ですか?
こいつの嫉妬の範囲はそれこそ広すぎて徳逸しないのだった。
宣言されていたそれを思いださせられて噴き出して、苦笑しながら亜豆の額に額を合わせる。
「好きって・・・・対比する対象があるから自覚するんです」
「うん?」
「誰かと比べるから特別だって気がつくし、気がついたらもっと特別だと感じて好きが増して」
「うん」
「だから・・・伊万里さんが誰かと比べて私が良いという今の会話は私からしたら嬉しい一色ですよ」
「っ~~っわいい事言うな・・・ますます煽られる」
「フフッ・・・私はそんな伊万里さんが可愛いです」
仕事だろ。なんて牽制かけておいて。
こいつのナチュラルは在るだけで欲を煽るのだったと今更思いだしてもどかしさに顔をしかめる。
そんな目に見えてのもどかしさを捉えてなのだろう、亜豆がクスクス笑って『可愛い』なんて言い返す事にも葛藤が疼く。
身体は未だ倦怠感に満ちているのに、きっと亜豆は俺以上に疲労しているだろうに。
でも・・・抱きてぇ。
そんな葛藤を逃す様に抱き寄せていた亜豆の頭に唇を寄せて耐える様に不動でいれば。
「なので・・・」
「・・・・あっ?」
「伊万里さんが可愛いので・・・・・欲情しました」
「・・・・・・・はっ?」
何言ってんだ?と思考が言葉理解に追いつくより早く、首筋に触れてきたのは亜豆の柔らかい唇の感触と・・・甘噛み。