だから何ですか?







それを十分に分かっているから憤りなんて物は浮上しないけれど・・・、



「・・・・これ、言った?」


「誰に?」


「凛生に、」


「言ってないけど、何で?」


「何でってお前・・・」


「それに・・・正確には『戻ってくる』かな」


「・・・・いつ?」


「年明け。海外の提携社修行も終えて大手を振って凱旋ってとこなのかな。菱塚の会社にとっては痛い話?」


「会社にとって痛いって話よりも・・・凛生だろ」



確かに会社としても痛いけれど。


そこは競い合って勝つしかないというだけの話。


もっと気を引き締めて、クリエイティブの人間にも良い仕事を期待してと今はそれくらいしか言いようがない。


だけど、もう一つの問題の方はどうもまったく先が読めないから不安ばかりと言うのか。


ハァッ、ともどかしい溜め息をつけば、背後から絡み付いてくる姿にその不安を緩和される。


裸の背中にじゃれる様に口づけられればいとも簡単に抱いていた悩みもグラついて。



「海音君が悩んでも仕方ないじゃない?」


「そりゃ・・・そうだけど」


「全部が全部・・・なるようにしかならないから」


「・・・・」


「それとも、私より凛生の方を優先?」


「・・・・嫉妬?」


「妹だろうが私以外は全部敵」



フンッとすでに不満げに目を細めぴったりと抱きつきに来ている姿には安堵と脱力・・・・それから欲情。




< 398 / 421 >

この作品をシェア

pagetop