だから何ですか?




「緊張しないでください」


「えっ、」


「意識されたら・・・私も意識するじゃないですか」


「・・・・ごめん」



いつも通りをいつも通りこなすという事はどれほど難しい事なのか。


どうやらいつも通りには出来ていなかったらしい俺に容赦なく小田の突っ込みが飛んできて苦笑い。


もう、突っ込まれてしまえば意識しまくりの自分を隠す必要もなく、降参したように小田の方へと首を捻った。



「あのさ、俺__」


「悪いですけど、」


「っ・・・はい、」


「私・・・・まだ当分伊万里さんの事好きですから」


「・・・・えっ?」


「むしろ・・・伊万里さんが分かれる事とかタイミングとか虎視眈々と狙ってますから」


「・・・・・・・・えっ?小田?」



何言ってるの?とばかり、衝撃的な小田の再告白の様な言葉に、様子を伺う様に覗き込めば、持っていた企画書をテーブルにトンっと置いた横姿が気を引き締める様に息を吐きだすと体ごとこちらを向いてまっすぐに見つめてくる。


ブレのない視線に少し・・・亜豆を思いだした瞬間。



「好きになるのは簡単じゃないし、好きになった人をばっさり
嫌いになるのも簡単じゃないんですよ」


「っ・・・・・」


「だから・・・告白した直後あっさり放置されてちょっとムカついても・・・嫌いにはなれませんでした」


「・・・いや、あのさ、」


「邪魔しようとは言ってません。好きでいるのは・・・私の勝手ですから。・・・伊万里さんは手も口も出せないし、出させません」


「・・・・・・・・」



はっきりと宣言してきた姿に何を返そうか?


何を返せると言うのか。



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