だから何ですか?
「伊万里さん、」
「っ・・・何?」
「2パターン上げたんですがどちらがいいと思います?」
いつの間にか自分の視線や意識は亜豆に注がれていて、それに気づかされたのは亜豆本人の声かけだ。
ハッと我に返ればどこか気まずくて、それでも問いかけられた内容がいい逃げ道だと意識を画面に移していく。
そうして捉えるのはレイアウトはほぼ同じに配色や字体のバランスが異なる2つ。
「あー・・・、どっちもいいな、」
「個人的にはこちらの配色が好きなんですが、店の雰囲気を考えるとこちらの方が合うのかと」
「・・・なぁ、この場所にさ一か所だけこの色おいたらどうなる?」
「・・・・こうですか?」
「んん~・・・あー・・・やっぱここじゃなくてもう一つ隣、」
「・・・・」
「あ、そう、そこ」
気がつけばデスクに手をつき前のめりに画面を見つめて、口だけでなく指先で画面を突いて自分の意見も織り交ぜてしまう。
他人との合作は波長が合えば楽しい。
自分の感性だけでは成り立たなかった物が形になって、また新たに自分の中で成長するものがある。