どうしたって期待したい!!
思わず……
「……鈴原?」
「…………ダメ、」
「なに?」
「やっぱり……水城くんの方がマスク必須」
この笑顔は…誰にも見られたらダメだ。
これ以上水城くんが他の人の目に留まるなんてダメ。
……違う。
嫌なんだ。
そうだ、コレは我が儘で……私の嫉妬からの独占欲。
そんな感覚から剥ぎ取ったマスクを笑顔を零す彼の口に押し返してしまった。
彼の隠された魅力が露見するくらいなら、私の痴態などいくらでも晒そうと言うもの。
そんな私に。行動の意味がまるで分からないよ様に見つめてくる双眸の追求には、きっと振り切れないと諦めた様に苦笑い。
だって…
「勿体無い…」
「……勿体…無い?」
「水城くんの笑顔……価値高いよ?」
知らないの?と、クスリ笑って押し付けていたマスクのゴムを耳にかけてあげた。
この言葉の選択なら独占欲は薄れただろうか?
私の幼稚な嫉妬はあからさまでない?
今更なのかもしれない。
それでも、あくまでも理由は水城くんの価値の保守だと大義名分をあげて自分の独占欲を気付かれない様に散らしていく。
そんな私に向けられる彼の表情は良くも悪くも無表情だ。
ジッと探る様にも感じるブレのない視線を向け続けられたら、さすがにソワソワと心が逃げ腰になり始める。