どうしたって期待したい!!


だから…お願いだから無言とか…

「勿体無い…ですか」

「っ……勿体…無いですよ」

「ふぅん、」

なんか…変な汗が出てくるじゃない。

ようやくマスク越しに響いた声は何故か改めての再確認。

いやさ、何回も言わせないで?

後ろめたさが増すんだけど?と、未だ探る様な眼差しを向ける水城くんに、じわじわと気まずさが最高潮に達しかけた頃合い。

居たたまれなくなって先に口を開いたのは私が先。

それでも、

「っ……んぐぅぅ!?」

音を発するより早く自分の口に押し付けられたのは馴染みのある繊維の感触。

あれ?また返された!?なんて驚愕するも、自分の目にはしっかりマスクをつけている彼の姿が映りこんでいる。

あれ?

はて?

何で…

「じゃあ、」

「っ…は、はい、」

「そのくるくる変わる顔勿体無いからつけておいてよ」

「っ___な、何故ぇぇぇ!!?」

いやいやいや、全然意味分からない!

本当さ、何を言ってるわけ?水城くん?!

きっとね、私の水城くんの笑顔が価値あって勿体無いって言う意見には大多数が賛同してくれると思うのよ!


でもね、

「私のアホ丸出しとしか言えない感情ダダ漏れの百面相なんて1円の価値もないからっ!!」

何をトチ狂った事言ってるの!?と、軽く叱責する勢いで立ち上がり、失礼にも指差しまでして彼の言葉を否定したのに。

あ…ら、なんか…。

ん?えっ?なんか…不機嫌な目力に感じるのは気のせいな…

「ねえ、」

「っ…は…い」

「あんまりさ【俺にとって】価値ある鈴原を馬鹿にして貶さないでくれる?」

「っ______!!!」

ダメだ。

ズッギャーンと来たよ。

コレ…殺し文句。

不機嫌そうな雰囲気と言い方がこの瞬間は畏怖より歓喜を誘ってしまってるよ水城くん!



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