どうしたって期待したい!!


言った本人は本当に悪気も含みもなく、寧ろ心から親しみを込めて友達と言い切ったんだろう。

だからこそ、それが十分に分かってしまうからこそ……切なさ倍増なんですが?

あれ?さっきまでなんか色めいた雰囲気もあったよね?

『襲うよ』なんて期待を持たせるような脅しとか…。

なのに……

「と、友達?」

「…………あれ?違うの?俺が一方的に友達とか思いこんでた?」

「い、いやいやいや!全然!!超友達!マジ友達!!もう、相談でも何でもどんとこいなくらいに友達だから安心して!」

「そ……良かった。俺、鈴原だけだからさ」

「っ~~~」

もうさ、喜んでいいのか泣いていいのか。

確かに水城くんの特別枠を実感しているのに、そのポジションが『友達』だと宣言されてる悲しい現状。

良かった。なんて言う彼の目元は安堵に緩んで笑って見えるのに、私の心中はひたすらに期待から落とされて複雑に歪んだ笑顔しか浮かべられない。

あ、コレマスクつけられてて良かったかも。

この今の引きつった笑顔は水城くんにお見せできるものじゃないから。

これどうなの?

脈があると思っていればいきなりズドンと落とされて距離を感じて。

ああ、今更ながら実結の一言が効いてくる。

『あんな断崖絶壁高根の花すぎて手が届かな過ぎる脈無し男より…』

確かに……断崖絶壁かもって思ってきた…。



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