どうしたって期待したい!!
呼びかけられてハッと目が覚めたように捉えて対峙するのは、優しく楽しい気さくなイケメンだけれどときめきは感じない西條君だ。
ああ、そうだ。
どうしても客観的なのだ。
他の子ならきっとキャーキャー言うだろうな。とか、みんなが言うように楽しい人なんだな。とか。
私、自分の感覚じゃなくて人の目からそれを感じてる。
寧ろ、人の目からしか感じられない。
私……この人に興味ないんだ。
そうストンと答えが下りて来てしまえばこの状況も少々窮屈だ。
だからこそ酔いを理由に席を立ってトイレに逃げようと試みたのだけども。
腰が浮いたのは僅かばかり。
引き止める様に手首に絡んできたのは西條君の手の感触で、えっ?と改めて意識を彼に戻した瞬間に、
「後で2人で抜けない?」
ズイッと耳元に寄せられた彼の口元。
囁かれるのはこれまた分かりやすいお誘いの一言だ。
うわぁ……ゾクッてした。
あ、ドキドキキュンな方じゃなくて妙な警戒心の方ね。
いくらイケメンでも興味がない相手からのお誘いはどうしたって警戒心の方が強く働くものだろう。
それでもここまでの印象彼に悪印象がない分、あからさまにそんな嫌悪を示すのも失礼だろうとなんとか形ばかりの笑みを浮かべ。
「か、考えておくね」
「じゃあ、期待して待ってようかな。俺も煙草吸ってくるし」
期待しないでください。
と、はっきり宣言すべきだったのかな。