どうしたって期待したい!!
だって、目の前の水城くんがさっきとはまた違う感じに苦悶の表情で頭を抱えてて恐い。
眉間の皺が……。
えっ?待って?私何言った?
なんか水城くんを怒らせるような事言った!?
だとしたら謝りたいっ!!
だけど『黙れ』って金縛りの呪文となえられてるぅぅぅ。
なんかよく分かんないけど……ごめんだよぉぉぉ水城くぅぅぅん!!
自分の理解が及ばぬ彼の苦悶の様子に嬉しかった気持ちなど打ち消され、ただただ不安で眉尻が下がる。
ただでさえさっきの涙も乾ききっていない様な状態で、意図せずともさっきとは別の理由に涙がジワリと浮かぶほど。
どうしよう?
水城くん?
「あ…の……」
「………」
「っ………ごめんなさいぃ……」
言葉と同時、ポロリと落ちた涙はすぐにマスクの繊維にぶつかったらしい。
自分の口から余裕の無い息がいつも以上に吐き出され、マスクの内側が熱っぽくなっていく。
理由は分からなくともとりあえず謝罪の言葉を吐かずにはおれなかった。
そして吐き出してみれば……
「黙れって言ったのに……」
「っ……」
そんな、更に不愉快とも感じる彼の苦悶の声音が鼓膜を掠め、ほぼ同時に腕に絡んできた力にその身を攫われる。