どうしたって期待したい!!
語る彼に悲観の様な感情は見えはしない、勿論憤りなんていう物も。
ただ経験した結果論を無感情に口にしている様に感じる。
『面白かった事はないらしい』
それは誰かからの印象の引用で、それも一人ではなく複数。
「つまらない奴だって……宣告もした筈なんだけどね」
「………」
「無駄に高まってる期待に宣告をして、それでも『良い』って、それでも『好き』だって言われたらこちらだって無意識に相手に期待するでしょ。無かった情だって生まれるものでしょ?でも、相手は必ず俺から離れる。『つまらない人』だったと言い方は様々だけどそれが理由だ」
「………」
「言ったはずなのに。つまらないよって。『つまらない』のが『俺』で、そんな俺で良いと隣にくるくせに『つまらない』って離れられる。だから、期待を持たせないから、期待を持たないでほしい」
「っ……」
「だから……俺を好きだって理由が明確じゃない子に期待はかけない」
スッパーンと……鋭い何がでぶった切られた気分なんですが。
決して自分限定に向けられた言葉ではないと言うのに、確実にその対象に自分も含まれるから笑えない。
いや、何とか表面上『そうなんだ』という平常の顔を貼っつけているけど口からは見えない血を吐きまくりだ。