どうしたって期待したい!!




なにコレ……告白する前に思い切り失恋した気分。

思いっきり自分を好きな子は恋愛対象外って言ってない?この人。

好きな理由って………。

分からん!!でも、むっちゃ好きっ!!

これをどう説明しろと!?

ってか、これがはっきりしない内に恋心を鮮明に向けようものなら……終わる。

恋が始まる前に終わる……。

つまりは恋心を隠してアプローチをしろと!?

なんだその矛盾しまくりの難題は!!

………あ、これ………早々に諦めるが正解で賢い選択なんじゃ……

「………美味しい、」

「………へっ?」

「紅茶……美味しいよ。香りが…芳醇っていうのか」

「あ……えと……アールグレイが入ってるからかな…」

「クッキーもこういう軽い触感好き。市販のはどうもモソモソしてて苦手なの多いんだけど………うん、…好き」

「っ~~~」

私も好きぃっ!!

やっぱり好きっ!!水城くん!!

好きな理由は今すぐには説明できないけれど、決してあきらめきれる恋心ではないらしい。

少なくとも……私の紅茶を本当に丁寧に味わって感想をくれる優しさが好き。

美味しいと言葉ばかりでなく、サクサクと食べ進めいつの間にかなくなっている空の袋に感動を覚える。

そして……

「立候補、」

「へっ?……な、なに?」

「紅茶の試飲研究員。……明日も立候補したらダメ?どうせ、明日もいるんでしょ?鈴原さん」

「っ~~~明日はオレンジのマフィン焼いてくる!」

「ご馳走様」

ああああああ、そのほんのり上がった口角!!

こっちがご馳走さまです水城くん!!

ダメッ!!

期待するなと言われても、大好きなんです水城くん!!


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