彼氏の上手なつくりか譚
「ほら、じっとしてろよ?」
左腕で首をロックされて、ペンを持った右手でまた頬に書かれた。
ホント、マジ、この屈辱的な態勢からの屈辱的な行為。
ああ、死にてぇ。それか殺してぇ。でも、抵抗できなきゃどっちもできない。
「よし、できた。今度は上手に書けた」
満足げにそう言うと、まるでメモ帳を千切るみたいに、乱暴に投げ捨てられ、私は解放された。
「今度は間違えないように、そこにいるアホ面女に、アホ面に書いたオレ様の尊い携帯番号をしっかり見てもらうといい」
そう言って、手をひらひらさせて、サイテーサディスティック男は屋上を後にした。
「ねえ、理沙。未成年で人殺したら、死刑になるのかな?」
真奈が凍ったような笑顔で私に聞いた。
私もぜひ知りたい。